妊娠中の歯科治療

maternity dentistry

妊娠中は、ホルモンバランスの変化や生活リズムの影響で、お口の環境も大きく変わります。実は、むし歯や歯周病が悪化しやすくなるこの時期。お母さんの歯の健康は、お腹の赤ちゃんの健康にも静かにつながっていることがわかっています。
当院では、妊娠中だからこそ必要なやさしいケアと、赤ちゃんへの安全を最優先に考えた診療を行っています。「治療しても大丈夫?」「薬は飲んでいいの?」そんな不安にも丁寧にお応えします。どうぞ、安心してご相談ください。

マタニティ歯科

妊娠中こそ、お口のケアが大切です

妊娠中は、日々変わりゆく身体の変化に戸惑われる方も多いことでしょう。実は、お口の中も例外ではありません。
ホルモンバランスの影響で、歯ぐきが腫れやすくなったり、つわりで歯磨きが億劫になったり…。そんな些細な変化が、むし歯や歯周病のリスクを高めてしまうのです。

また、歯周病は単なるお口の病気ではありません。近年の研究で、早産や低体重児出産との関連も指摘されているのをご存知でしょうか。
お母さんのお口の健康は、お腹の赤ちゃんの健やかな成長にもつながっているのです。

「でも…妊娠中に歯医者に行っても大丈夫?」

そんな声をよく耳にします。ご安心ください。妊婦さんのための特別な診療「マタニティ歯科」では、赤ちゃんへの影響に細心の注意を払いつつ、今できる最適なケアをご提供します。

尼崎市妊婦歯科検診のご案内

令和5年4月より、「尼崎市妊婦歯科健診受診券」が母子健康手帳発行時に配付されています。受診券をお持ちいただければ、当院で無料の妊婦歯科健診を受けていただけます。予約時に妊婦歯科健康診査受診券を使用する旨をお知らせください。ぜひお気軽に無料健診をご活用ください。

【持ち物】
  • 受診券
  • 母子健康手帳
  • 健康保険証またはマイナ保険証(歯のクリーニングや治療が必要な場合、保険診療等になり料金がかかります)

お母さん自身のために。
そして、生まれてくる赤ちゃんのために。
私たちと一緒に、安心できる歯科ケアを始めてみませんか?

妊娠中の歯科治療、受けても大丈夫?

「妊娠中に歯医者に行ってもいいの?」
そんな不安を感じていませんか?
ご安心ください。赤ちゃんへの影響を最小限に抑えながら、歯科治療は受けていただけます。
ただし、妊娠の時期によって注意点が異なるため、下記の表を参考にしてください。

妊娠の時期治療の目安注意点
初期(~16週)応急処置のみ推奨胎児の大切な器官が作られる時期。
レントゲンや薬の使用は慎重に。
中期(17~28週治療に最適な時期胎盤が安定し、通常の治療が可能。つわりが落ち着く方も多く、歯科健診に最適。
後期(29週~)原則、出産後に延期がおすすめお腹の張りやすさ・早産リスクに配慮。痛みや腫れは応急処置を行います。

妊娠中に増える歯ぐきのトラブル

妊娠すると、女性ホルモンの影響で歯ぐきが赤く腫れたり、出血しやすくなったりします。
「妊娠性歯肉炎」と呼ばれるこの症状は、放置すると歯周病の原因にも…。
特に、エストロゲンが大好きな歯周病菌が増えるため、妊娠中は歯ぐきの炎症が起こりやすいのです。

また、つわりのために歯みがきがおろそかになり、むし歯や歯周病が進行してしまう方も少なくありません。

おすすめは安定期の歯科健診

出産後は育児に追われ、歯科に通う時間を確保するのが難しくなるもの。
だからこそ、つわりが落ち着いた「安定期」に一度、歯科健診を受けておくことをおすすめします。

歯ぐきの炎症は、早めのクリーニングや歯垢除去だけでも改善できます。
「赤ちゃんのためにできること」、ぜひお口から始めてみませんか?

妊娠中の歯科検診

治療時の安全対策について

赤ちゃんへの影響が気になる治療も、当院では安全性に最大限配慮しています。
よくあるご不安について、順にお答えします。

(1)レントゲン検査は大丈夫?

はい、ご安心ください。
歯科用レントゲンの放射線量はごくわずかです。お腹の赤ちゃんに影響を与える量とは桁違いに少ないため、通常の撮影で問題はありません。

  • 防護エプロンを着用し、赤ちゃんへの被ばくを限りなくゼロに抑えます。
  • 撮影は必要最小限にとどめ、無用な撮影は避けています。
  • 最新のデジタルレントゲンを導入し、従来より放射線量はさらに軽減。

実際に歯科レントゲンで赤ちゃんに影響が出るには約1000回以上の撮影が必要と言われています。通常の治療でこのような回数を撮影することはありません。

(2)お薬は大丈夫?

「お薬は赤ちゃんに悪いのでは?」という声はとても多く寄せられます。
もちろん不必要なお薬は使用しませんが、妊娠中でも比較的安全な薬は複数あります。

  • 抗生物質はペニシリン系・セフェム系を優先して使用。
  • 痛み止めはアセトアミノフェン(カロナール)などを選びます。
  • お薬の種類や量は母体・赤ちゃん双方に配慮して選択します。
  • 「使うべきか?」は必ず相談の上で決めますので、ご安心ください。

授乳中の場合も基本は同様です。母乳に移行する薬はごく微量で、安全性が高いものを選んで処方いたします。

(3)麻酔は赤ちゃんに影響する?

結論からお伝えします。歯科治療で使用する麻酔は心配いりません

  • 使用する量は非常に少なく、産婦人科で用いる麻酔量と比べても微量
  • 通常の治療(カートリッジ1〜2本程度)では母体にも赤ちゃんにも影響はほぼありません

痛みを我慢して治療を受けるほうが、ストレスとなり赤ちゃんにもよくありません。
リラックスして治療を受けていただけるよう、必要に応じて安全な範囲で麻酔を使用しています。


私たちはそう考えています。
治療中も治療前後も、不安なことはどうぞ遠慮なくおたずねください。
お母さんと赤ちゃんが安心して過ごせるよう、細心の注意を払いながらサポートいたします。


授乳中の歯科治療

歯科治療は受けても大丈夫です

出産後は「育児が最優先」と、自分のことは後回しにしてしまいがちです。
けれども、歯の痛みや歯ぐきの腫れを我慢し続けることは、お母さん自身の負担になるだけでなく、赤ちゃんにもよい影響はありません。
授乳中でも安心して受けられる歯科治療がありますので、ご安心ください。

授乳中の歯科治療

■ 治療はどこまで受けられるの?

  • 軽い虫歯(C1・C2)や、歯肉炎程度の歯周病治療であれば、問題なく治療できます。
  • 強い痛みや腫れがある場合は、基本的には応急処置で症状を和らげ、授乳の状況に合わせて治療計画を立てていきます。

■ お薬(飲み薬)は大丈夫?

  • お母さんが飲んだ薬の約0.5%程度が母乳に移行すると言われています。
  • 生後3ヶ月以降の赤ちゃんであれば、通常量の母乳から受ける影響はほとんどありません
  • 生後3ヶ月未満の場合でも、お薬を飲んでから5時間ほど経てば影響はごくわずかです。

それでもご心配な方には、妊娠中と同じく、ペニシリン系・セフェム系抗生物質や、痛み止めとしてはカロナール(アセトアミノフェン)など、授乳中でも安全性の高いお薬を選んで処方します
また、「どうしても心配…」という場合は、お薬を飲んでいる間だけミルクに切り替えることもできます。無理せず、最善の方法を一緒に考えていきましょう。

■ 授乳中に治療を受けるときは…

診療の際は、ぜひ「授乳中であること」を遠慮なくお伝えください。 レントゲン撮影も含めて、安全面に配慮しながら治療を行います。 なお、歯科用レントゲンの放射線量は極めて微量なため、授乳中でも影響はありません。それでも不安な点があれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

お口の健康は、育児の第一歩です。
痛みや不安を我慢せず、お気軽にご相談ください。

ご予約・お問い合わせはお気軽にどうぞ

診療時間
9:00 〜 13:00
15:30 〜 19:00

9:00~13:30
休診日:日曜・祝日